Fostex D2424LV


24トラック デジタル・マルチトラック・レコーダー

・フォステクス製 (国産)
・スタンドアロン、ハードディスクレコーダー
・48kHz / 24bit /24trks
・24トラック 同時録音 / 同時再生可能
・ADAT IN/OUT 各3系統 搭載


90年代中ごろ、プライベートスタジオや、小規模商業スタジオにやっとデジタルのMTRが普及したとき、
そこで使われていたのは、
アレシス社のADATシステムや、TASCAMのDAシリーズなどのテープメディアのMTRでした。

当時、アレシス社のADATシステム(8トラック)で、100万円位していました。
多くのスタジオでは、それを2台同期させて16トラックシステムを構築していたのですが、
度々テープが絡むなど安定性に欠けていました。もちろん、巻き戻しや早送りにも時間がかかります。

そんな折りに発売され、好評を得たのが、ハードディスクメディアのMTR、フォステクスのDシリーズです。
当初は8トラックで、ハードディスクも2ギガ位だったのですが、徐々に高性能化し、
特に、先代機種 D1624 が発売されると、その音質は高い評価を受け、海外のスタジオにもかなり導入されたようです。

その評価の高さから、Dシリーズは D1624 が最高と言う声も聞かれるのですが、
長いこと D1624 を使用してきて D2424 に乗り換えた当方としては、確かに、音質の違いは感じるのですが、
どちらが良い悪いと言う質のものではないと思います。

本機 (D2424LV) では24トラックの同時録音、再生が可能です。
サンプリングレートも、96kHzまで、ビット数も24bitに対応しています。
肝心のA/D、D/A、にはAKM社製のコンバーターを採用し、安定感も抜群です。

最近では、ProTools を始めとしたコンピューターベースのMTRが幅を利かせていますが、
音質面では、本機の様な独立型 (スタンドアローン) のMTRの方が有利だという意見も聴かれます。

個人的には、殆ど無視できるほどレイテンシーが低いこと。安定性。
そして、パンチインの正確さ等から、録音は殆どこの機材で行っています。
録音後、編集のため ProTools に流し込むと言う方法です。
一見手間のようですが、作業は安定していてとてもスムーズですよ



(上記の記事は2012年頃に書きました。以下は追加の豆知識。)


90年代後半から、2000年代初頭、アメリカの多くの中小規模スタジオでは、ALESIS ADATシステムと、Mackieのミキサーを使い、
それらはAMスタジオと呼ばれていました。

Fostex Dシリーズの狙いはそれらテープメディアスタジオのHD化です。
そのため、取り外しが簡単なカートリッヂ式HDを採用して狙い通りの大ヒット。

日本では中小スタジオが比較的少なく、意外にも、Dシリーズは博物館でのマルチチャンネル音声、
プラネタリウム等で多く採用されたとか。
もちろん、ライブレコーディング、放送の分野でも未だ現役。
そのため、Fostex D2424LVは2017年現在でも販売継続、サポートも受け付けてくれるありがたい存在です。

最近では、アナログ機材すら置かないPCベース専用のスタジオが増えています。
本物の音を知らず、シミュレーターの音だけを聞いて育つ世代。
何だか少し可哀想に思います。


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