Focusrite Green2 forcus EQ




マイクプリ+イコライザー


Focusrite社はイギリスの音響メーカーです。
創業者はRupert Neve (ルパート・ニーブ) 氏。音響の世界ではその名を知らぬ者のいない天才設計者です。

彼は1961年にNeve Electronics社を設立し、NEVE1073を初めとして、多数の歴史的名器を生み出します。
60年代、70年代に生産されたそれらの名器は未だに高額で取引されています。

NEVE社で成功を収めた彼は、その権利を売却し、1975年にNEVE社を去ります。
その5年後の1980年、Focusrite社を設立します。

ここでもまた、Focusrite ISA110、115という名器を生み出すことに成功します。
彼の歴史はまだまだ続きますが、ひとまず本題に戻りましょう。



Focusrite社は、ISAシリーズを発表した後の1993年から、
レコーディングスタジオ向けの RED RANGE、マスタリングスタジオ向けの、BLUE RANGE、
プロジェクトスタジオ向けの GREEN RANGE を相次いで発売します。

当時のFocusrite社製品にはいくつかの特徴があります。
入出力に備えられたLundahlのトランス、トロイダルトランスを用いた電源部、
そして大型のフィルムコンデンサーを特徴とする高品位なパーツの高密度な実装です。
これらの特徴がその音質を支えていました。

使用される電子パーツのほとんどはドイツ製で、まれに日本製が入ります。
それ以前の高級機には、アメリカ製、イギリス製パーツが多用されていましたから、時代が変わったことが伝わります。
(2010年代以降の音響機材のパーツは、普及クラスではほとんどが中国製パーツとなっている。高級機種では未だに日本製が多い。)

本機、Green2 forcus EQも、内部を見れば特徴的なパーツが並んでいます。
既にロボットによる溶接が確立されていると思われるプリント基板には、ドイツ製のパーツがぎっしりと並べられ、
音質の要である電源トランスも、約束の通りトロイダルトランスとなっています。
しかし、ISAの特徴であったトランスは搭載されていません。そこはコストを考慮したのでしょう。



GREEN RANGE の特徴であるアルミの鋳型ボディーは、
基盤上の配線を最低距離にして、無駄なケーブルを極力使わないという姿勢から必要とされたものです。
この機種は、わずか数本のねじでケースに止まっているだけで、入出力のコネクターも、つまみやメーターなどのコントロールパネルも、
全て基盤と一体化しています。これらは高音質化と低コスト化を同時に達成するための工夫であると思います。



肝心の音質は、私が述べるまでもなく、世界中から評価されています。
あらゆる周波数で扱いやすく仕上げられたマイクプリ、実用的でシャープなフィルター、使いやすく効きの良いEQ、低価格モデルとは思えない作りです。
最も、発売当時は機材の高かった時代、価格は20万円を越えていたと思います。
2000年代に発売された入門クラス platinum RANGE と比較する声がありますが、残念ながら比較になるようなものではありません。



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